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中古住宅を売ったり買ったりした後の責任とは?

こんにちは 森岡です。

この土・日は昼間は少し暑いくらいでしたが全般的に秋らしい気候で過ごしやすかったですね。
当社でもここ最近の週末は中古住宅の内見を希望されるお客様が多くなってきて動きが出て
きていることを実感しています。

中古住宅の場合は、今から購入されると年内には引き渡しが受けられる物件がほとんどですので
次のお正月は新居で迎えることができます。

今日は、中古住宅を検討されているお客様から必ずと言ってよいくらいご質問をいただくのが、
購入後に雨漏りやシロアリ、給排水の故障などがあった場合にはどうなるのですか?という点を
テーマに書いてみたいと思います。

このような責任のことを法律用語では「瑕疵担保責任」と言います。「瑕疵」とは平たく言えばキズ、
欠点、欠陥ということになります。

この「瑕疵担保責任」とは、売買する住宅に隠れた瑕疵があった場合に売主が買主に対して負う
責任のことを言います。「隠れた瑕疵」ということで通常の注意をしていれば気づくであろう瑕疵や
買主が売主から聞いていたりして知っていて購入した瑕疵は対象外になります。

この瑕疵担保責任では、売主が責任を負う期間が重要なポイントになります。
まず、原則として民法では買主がその住宅に瑕疵があることを知ってから1年以内であれば売主に
対して損害賠償を求めることができます。また、購入した目的を達せられないときには、契約を解除
することもできます。

買主が瑕疵があることを知ってから1年以内ということは、購入して10年後に瑕疵を発見した場合でも
売主に損害賠償を求めることができることになります。

買主にとっては安心この上ないと言えますが、売主にとっては売却後もいつまでも瑕疵が見つかれば
損害賠償の請求をされる恐れがあることになりますので売却すること自体が大きなリスクとなり自宅を
売却しようという踏ん切りがつかなくなります。

そこで、私たち不動産会社が仲介して中古住宅を売買する取引の場合には、この瑕疵担保責任の
期間をケースバイケースで制限してその内容は売買契約書に明記して取引を行います。

例をあげますと
 ①売主の瑕疵担保責任を免除する。
 ②瑕疵担保責任の期間を引き渡し後60日もしくは90日とする。
 ③売主が不動産会社の場合には引き渡し後2年とする。
この様な取り決めのどれかになることがほとんどです。

①の売主の瑕疵担保責任を免除するという取り決めでは、買主にとっては不利になり購入後に雨漏り
などがあった場合にも売主に責任を求めることはできません。

そこで売主と買主のバランスを考えれば②の引き渡し後60日~90日くらいを瑕疵担保責任の期間と
する取決めが一般的なケースと言えます。

ただし、個々の中古住宅の売買事情も考慮することも必要です。たとえば、築後30年以上経過している
建物で売買価格を土地代金のみとして建物の価格(価値)は0円として売買する場合には、建物の
瑕疵担保責任を免除することはよくおこなわれるケースです。

③の場合は、売主が個人ではなく不動産会社の場合ですが、この場合は瑕疵担保責任の期間を
2年よりも短くすることや免除することは無効になります。2年より短くしたり免除したりした場合は、
民法の原則通り買主が瑕疵を知ってから1年間は瑕疵担保責任を負わなくてはならなくなりますので
2年とするケースがほとんどですが契約の際はその点をよく確認してください。

なお、現在私たち不動産会社が仲介に入る中古住宅の売買においては、売主から買主にその物件に
関する主要な項目についての「告知書」という書面を交わします。この「告知書」により買主はその
物件についての概要をあらかじめより詳しく知ることができるようになりますので引き渡し後の不測の
事態を少なくすることができます。

参考に添付してみますのでご覧ください。


告知書





中古住宅の耐震基準とは?

こんにちは 森岡です。

もう今年は来ないのかと思っていましたがまた台風が近づいてきています。
夏場に頻発した広島をはじめとした各地での大雨による被害が今回は出ないことを
願うばかりです。

さて、今日は築年数の古い中古住宅をご案内する際にお客様からよくいただく質問に
「この物件は地震の時に大丈夫ですか?」というのがありますのでそのテーマで書いて
みたいと思います。

中古戸建や中古マンションを購入する際の重要なチェックポイントのひとつとしてよく
あげられるのが、昭和56年以降に建てられた物件であるかどうかという点です。

もう少し正確に言いますととその物件の建築確認の取得日が昭和56年6月1日以降か
どうかという点を確認することが重要になります。

これは、建築基準法が改正され耐震性についてそれ以前に比べてより高い耐震基準を
求めるように法改正がされ施行されたのが昭和56年6月1日だからです。

そこで、この昭和56年6月1日を境にそれ以前に建築確認を受けて建てられた建物は
旧耐震基準、この日以降の建築確認を受けて建てられた建物は新耐震基準と言われ
地震に対する安全性が以前よりは高いと言うことができます。

また、平成12年の建築基準法の改正では、木造住宅については耐震基準が追加され
ています。たとえば、耐力壁を受ける柱と土台や梁との接合金物基準の使用が定められ
たり、配置バランス基準(四方割法もしくは偏心率基準)が定められました。

このことから木造住宅については、平成12年以降に建てられた建物はより地震に対する
安全性が高いと言えます。

ただ、注意すべきは建物の完成日の標記です。

大多数の物件の販売資料には、完成年月は記載されていますが、いつ建築確認を取得
したのかは記載されていません。

たとえば、昭和56年の10月に完成した物件であっても古い基準で建築確認を受けて
建てられた建物である可能性もあります。また、マンションの場合であれば建築工期が
戸建に比べ長くなりますので昭和57年に完成していても要注意です。

そこで、この6月1日から比較的近い完成物件の場合、建築確認取得日が気になる時は、
私たち不動産会社にお問い合わせください。お調べしてご返事いたします。

ただ、新耐震基準で建てられた建物であっても建築工事が杜撰であったりすることも
ありますので建築時期に関係なく建物の状態が良くない場合もあります。

よって、この建築時期による判断は、ひとつの有力な判断材料となりますが、
個々の物件ごとに判断する方法としては耐震診断を受けることも有効です。

特に昭和56年6月以前に建築確認を受けて建てられた建物の耐震性に不安があり、
中古住宅の購入に躊躇される場合にはこの耐震診断を受けられるのもひとつの選択肢と
言えます。

松山市の耐震診断の補助事業の概要はこちらからどうぞ。


明日は、飛び石連休の休日です。どうぞ良い休日をお過ごしください。

それでは、今日は以上です。




中古住宅購入の流れ

こんばんは 森岡です。

今日は、3連休の最終日ですが、朝晩がずいぶん涼しくなり昼間も湿度が低くカラッとした
過ごしやすい日が多くなりましたね。何をするのにも最適な時期で色々なところに出かけら
れた方も多いのではないかと思います。
この時期は不動産を探されている方もずいぶん活発に動かれているようです。

さて、この土・日も中古住宅をお探しのお客様が当社にも来られましたので物件のご案内を
させていただきました。その際に中古住宅を購入する場合には、どのような手続きをすれば
いいんですか?というご質問を多くの方からいただきますので今日は中古住宅を購入する
際の一般的な流れについて書いてみたいと思います。

①物件情報を集め物件を見学し絞り込みます。
 まずは、希望条件に近い物件をインターネットや雑誌、チラシなどで見つけて現地を確認し
 気になる物件は建物の内覧をしていきます。空家の物件だけでなく売主様が居住されて
 いる物件もありますので数日前くらいに私たち不動産会社に内覧したい旨を連絡していただ
 ければ売主様側と内覧日を調整をしてご案内いたします。
 
②住宅ローンの事前審査を申込ます。
 気に入った物件が見つかればその物件にかかる諸費用を組み込んだ資金計画を
 不動産会社に提示してもらい自己資金以外の部分を住宅ローンとして借入が可能かどうか、
 銀行の事前審査を申込します。事前審査は、私たち不動産会社がお客様に代わって銀行に
 出向き申込み手続きを代行いたします。また、事前審査を申し込む銀行は1行だけでなく
 複数の銀行に申込みすることもよくありますので内容に応じて不動産会社との打ち合わせが
 必要です。審査期間は、通常3日位ですがご自営の方の場合は1週間以上かかることもあります。

③購入申込書を売主側に提出します。
 銀行の事前審査がOKになれば「購入申込書」、「買付証明書」などという書面に購入する際の
 希望条件を記入します。主な項目は、購入希望金額、手付金の額、住宅ローンの利用の有無、
 引渡し条件、引渡しの時期などになります。これらの項目については不動産会社とよく打ち合わせ
 のうえ記入し不動産会社が売主様側の不動産会社に提出してその後交渉をしていきます。

④重要事項説明を受け売買契約を締結します。
 売主様側と価格面や諸条件の調整が終わりまとまれば売買契約を結ぶことになりますが、
 まずは重要事項説明書という書面に基づき物件についての詳しい説明を受けます。その後、
 売買契約書の説明を受け内容を確認のうえ署名、押印をし売主様に手付金を支払います。

⑤住宅ローンの本申込みをします。
 売買契約が終了するとその売買契約関係の書類を持って銀行に住宅ローンの本審査の
 申し込みをします。審査期間は、約2週間くらいかかりますが事前審査がOKであればほぼ
 間違いなくOKになると思われます。(ただし100%ではありませんので)

⑥残金決済、物件の引渡し
 住宅ローンの本審査がOKになれば売主様に残代金を支払い、物件の引渡しを受ける手続きを
 借入する銀行で行います。その場には、売主様、買主様、司法書士、銀行の担当者が集まり
 権利証などの最終確認を行います。

⑦お引越し・ご入居
 物件の引渡しを受けた後にリフォーム工事をすることがよくありますが、その場合にはその
 リフォーム工事が終了後の入居となります。また、リフォーム工事費用を含めて住宅ローンを
 組んだ場合にはリフォーム工事の前後の写真を提出する必要のある銀行もありますが
 それらの手続きも私たち不動産会社がお手伝いいたしますのでご安心ください。

以上が一般的な中古住宅を購入する場合の流れになります、ご参考にしてください。 


 
 



不動産購入時の諸費用と税金

こんにちは 森岡です。

9月に入ってから当社にお問い合わせをいただくお客様が増えてきました。
この土・日にも中古住宅のご案内をさせていただきましたが、その際に必ず
お尋ねのあるのがこの売買代金以外にどれくらいの費用がかかるのですか?
という点です。

そこで、本日は土地や中古住宅を購入する際の諸費用と必要な税金について書いて
みたいと思います。

売買金額1,800万円の中古住宅を購入する場合を例にして諸費用が必要な時期を
順番にご説明させていただきます。

気に入った物件が見つかり売主様との諸条件が合意に至りますとまずは売買契約の
締結ということになります。

①売買契約の際に必要になる費用に売買契約書に貼付する印紙代があります。
◆この印紙代は、現在軽減措置がとられていますので1,800万円の物件の場合、1万円
になります。
◆仲介手数料の半金を不動産会社に支払います。(決済時にまとめていただく場合もあります)
仲介手数料は、売買金額×3%+6万円に消費税となりますので1,800万円の物件の
場合は648,000円となり、その半金の324,000円を契約時に支払います。

②売買契約が終わると売買契約書などの書類を準備して銀行からの借り入れのための
本審査の申込をします。およそ2週間くらいで審査の結果が出ますがOKになると
銀行から正式に融資を受けるための金銭消費貸借契約という契約を結びます。

◆その際に契約書に貼付する印紙代が借入金額1,000万円超~5,000万円以下の場合
2万円になります。
◆銀行ローン利用のための事務手数料として一般的には32,400円が必要です。
(金融機関や商品により異なる場合があります)
◆また、銀行ローンを利用する際には保証会社の保証を受けなくてはなりませんが、
その保証会社の保証を受けるためにローン保証料という費用が必要になります。
これは、一括払いと分割払いがありますが多くの方が利用されるのが分割払い
といって毎月の返済額に0.2%の保証料を上乗せして払っていく方法になります。
◆物件を現金で購入するケースは必ずしも必要ではありませんが、住宅ローンを利用
する場合には、建物に火災保険を付けなければなりませんので火災保険料が必要に
なります。この火災保険は利用する銀行により条件が異なりますが、一括払いだけでなく
毎月払いや年払いなどを利用することもできる場合もありますのでどの支払方法を
選ぶかにより購入時の諸費用の額が変わってくる項目です。

③買主様が住宅ローンの手続きをすませると売主様との間で物件の引渡し・残代金の
支払いという最後の手続きに入ります。

◆この最終の決済時に必要な諸費用としては、登記費用があります。
これは物件を自分の名義にするための所有権移転登記費用や住宅ローンを利用
するために銀行を抵当権者とする抵当権設定登記費用があります。
金額は、購入する物件の評価額や建物の建築時期、借入する銀行ローンの額に
より異なりますがおよそ30万円前後が多いケースです。
あと、その物件にかかっている固定資産税を決済日で日割清算します。売主、買主双方
損得がないように今年の分は所有期間でもって日割で清算してしまいます。次の年は
買主様に直接固定資産税がかかってくるようになります。
◆契約時に半金を支払っている仲介手数料の残りの半金分324,000円を不動産会社に
支払います。

以上が不動産を購入する場合に必要となる主な諸費用になります。

上記の例で火災保険を月払いにして初期費用を抑えた場合では、諸費用が約106万円に
なります。
これは、売買金額1,800万円の約5.9%という割合になります。中古住宅などを購入する
場合には物件価格のおよそ6%位の諸費用を見込んでおく必要があります。

なお、不動産を購入した後にかかってくることのある税金に不動産取得税というものが
ありますが、今日は長くなりましたのでまたの機会に書いてみたいと思います。

今日は、以上です。




農家用住宅を買うことはできますか?

こんにちは 森岡です。

早いもので今日から9月ですね。
今年の夏は天候不順ですっきりしなかったですが、あと残り4か月頑張っていきましょう。

さて、一昨日の土曜日に当社のHPに掲載している農家用住宅のお問い合わせをメールで
いただきました。

そのお客様から市街化調整区域内の農家用住宅は私たち農家でない者でも購入できるのですか?
購入する場合の注意点やデメリットはあるんですか?というお尋ねがありました。
そこで今日はこの「農家用住宅」をテーマに書いてみました。

結論としましては、市街化調整区域内の「農家用住宅」を一般の方が購入をすることは可能です。
が、購入することはできてもそのままでは再建築ができないことはもちろん、その住宅に住むこと
自体が都市計画法違反となります。

購入した農家用住宅に適法に住むためには、「農家住宅」を「譲受人の専用住宅」への用途変更
の許可を得るという手続きが必要になります。

この「農家住宅」から「譲受人の専用住宅」への用途変更には売主側の要件に加えて買主側にも
要件が必要になりハードルは決して低くはありません。松山市が定めている運用基準を以下に
掲載してみましたので参考にご覧ください。(表示が小さくてすみません)
  
  ◆法第34条第14号松山市運用基準(抜粋)

運用基準22


これを見ると売主側の要件としては、適法な許可を得て建築し相当期間適法に不動産を使用
された後、特にやむを得ない事情により用途変更をせざるを得ないこととなっています。

買主側にも要件があり、住宅を必要とする合理的事情や現在住宅を持っていないこと、物件と
職場との距離などが用途変更の際の判断基準となります。

以上のような判断基準に基づき用途変更の手続きを適法に踏めば購入した農家用住宅に住む
ことができ、将来同一の用途であれば再建築をすることも可能になります。

次に購入した場合のデメリットについてですが、将来何らかの事情で購入した農家用住宅を売却
する必要が出てきた場合には、購入した時と同じように売却する際に売主の「やむを得ない事由」
というのがなければ売却が難しくなります。
市街化区域内の物件のように自由に売却ができるということにはなりません。 このことが売却価格や
売却期間に影響を与えることになります。

このように「農家用住宅」の売買には、注意すべき点がいろいろとありますので気になる物件が
ある場合には県や市の建築指導課に確認を取りながら購入が可能かどうか進めていく必要が
ありますので、まずは私たち不動産会社にご相談ください。

今日は以上です。






プロフィール

森岡 恭司

Author:森岡 恭司
私は、愛媛県松山市を中心に不動産の売買仲介専門の不動産会社の代表者です。
40年以上の不動産売買に関する経験を活かして皆様方の不動産取引のお役にたつ知識や情報を書いてみたいと思います。

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